カレーはインドで生まれた料理です。しかし、私達が普段使っているカレー粉という ものはインドには存在しません。現在、カレー粉と呼ばれているものはイギリスで作られたものなのです。カレーがイギリスに伝わった時は、作るたびにスパイスの調合をしなければならなかったため、簡単に作れるようにカレーパウダーが発明されました。それがカレー粉の始まりです。

日本にカレーが伝わったのは19世紀後半に、イギリスから伝わったといわれています。その時伝わったカレーは、イギリスで既に発明されていたカレー粉を使い、小麦粉でとろみをつけたカレーでした。当時、カレーは高級な西洋食として扱われていました。

1872年にカレーの作り方を記した教学堂主人の「西洋料理通」が出版されたことから多くの料理人がその調理方法を知るようになりました。1926年にハウス食品が粉末のカレー粉を日本で始めて販売しました。その後1960年からカレー粉・油脂・小麦粉・旨味成分などを固形化したカレールウをハウス食品が販売し始めてから、肉・じゃがいも・にんじん・たまねぎを炒めて、水を追加して茹で最後にカレールウを合わせて煮込む調理法が一般的に広まりました。カレーライスは肉や数種類の野菜を同時に食べられるため、栄養バランスの良い健康的な食事として家庭に広まり日本人の食文化に大きな影響を与えました。